天文機材

R200SS用デジタルピントゲージ

なかなか晴れませんね~

世間一般には、さわやかなお天気だとは思いますが、天文ファンにはなかなか好天が訪れません。
景気もイマイチですから、高額な機材は手が出ないし少しずつ気になるところを改造しています。
 
で、ピントゲージです。私はピンと合わせる時は、ライブビューを使いながら回折光の光条を見ながら
数値の再現性を頼りにピントを決めています。
 
平たく言えば、何回かピント合わせをして、ジャスピンと思われるピントの時のゲージの数値が、ほぼ一定(F4鏡等なら±20μm以内)でOKということにしています。
 
となると、ピントゲージはワンプッシュでゼロ調整が出来たり、数値が直感的に認識しやすいデジタルゲージ
の方がどうしても使いやすいです。
 
R200SS用のピントゲージも迷いましたが、比較的安いデジタルゲージもあったのでそれ使って工作してみました。
イメージ 1
デジタルゲージはMonotaROという業者から購入しています。
会社での実験ツールなども購入したことがありますが、ここは個人で購入も可能なので機材購入に
利用しています。上のデジタルゲージはMonotaROのオリジナルブランドです。
カメラとの接続は、DIYでステイを組み合わせて固定しています。測定子の先には5mm厚のアルミの
角材にφ3の穴を開けて接眼部に接触させています。
イメージ 2
ストロークが深いところで使っているので、もう少し余裕を持ちたいのですが、そうすると
固定金具を自作する必要がありそうです。
それはまた、そのうちトライすることにします。

10kgの壁

GPDの最大積載加重は、10kgです。
これを越えたらすぐに壊れると言うわけではないでしょうし、
10kg以内なら、オートガイド性能など全てがOKという訳ではありませんが、
ガイドラインとして、あまり越えたくはありません。

R200SSは鏡筒バンドとファインダーを合わせて7.5kgあります。
マルチプレートを使ったガイド鏡の同架方式では、12kg近くなります。
しかも、私のマルチプレートは自作の小型なものなので、R200SSを載せると
ガイド鏡と干渉するため、新たに穴の追加工が必要です。

屈折系を載せる時はマルチプレートを生かしたいし…

そこで、屈折にはマルチプレート、R200SSには親小亀ということを考えました。

ただ、新たにガイドマウントなどを追加するとお金がかかるので、ガイドマウントは共用です。
まず、R200SSに載せてみました。何か変なのがわかりますか?↓
イメージ 1

そうなんです、鏡等側にアリガタをつけ、ガイドマウントにアリ溝をつけています。↓
イメージ 2

これで9.5kg!カメラを着けてギリギリ10kgだと思います。
そして、マルチプレートはというと、
イメージ 3

表にアリ溝(メイン鏡筒用)と、小さなアリガタ(ガイド鏡用)がつきます。
イメージ 4

裏は、SE150Nからの流用の長いアリガタです。左右のバランス用です。

何とかお金をかけずに良い方法を探していたのですが、これなら一番現実的な解かも。
次期新月期はR200SSも出動かな~

ED80Sfピントゲージ直付け化

レデューサの問題もあり、フリップミラーから卒業しないといけなくなりそうです。
(惑星撮影の時は、もちろん今までどおり使用します。でないと、導入できない…)
WOのレデューサなど、フリップミラーを介して直焦点撮影では、鏡筒のバックフォーカスが
まるで足りません。ケラレの問題もあります。

しかし、最大の問題はピントゲージです。
以前も記事にしたとおり、私のピントゲージはフリップミラー直付けでした。
これは、とても使い勝手良く、常用していました。

ピントゲージ無しでは、十分なピントの追い込みができないのは、今までの経験で思い知っているので
まずは、ピントゲージの取り付け位置の変更を考えました。
いろいろ考えた末に、接眼部にあるネジ穴に、アルミアングルで作ったスティでピントゲージを取り付ける事にしました。測定子の当て板は、φ60mm塩ビパイプ用の吊金具をドローチューブ(φ57)に取付け、さらにアルミアングルで当てる部分を作りました。まず、鏡筒全景。
イメージ 1

ED80Sfの接眼部は、笠井さんのマイクロフォーカサーに以前から変更しています。
M4のネジが縦に空いていたので(一つはクレイフォードのベアリング固定用)それを使っています。
塩ビパイプ用の吊金具は、径に余裕があるので取り付きます。
イメージ 2

イメージ 3

上下が逆になるのが難点ですが、どの道撮影の時は、上下無関係な位置に来ることが多いので
問題はないと思います。

さあ、本日、スタークラウドさんから嬉しい一品が届きました。

さて、その結果はまた後日レポートします。

自作レデューサ2!

先日16日に、予てから懸案のED80Sfのレデューサ改善版を製作しました。

昨年作成したものは、ケンコーのクローズアップレンズのAC No.4(焦点距離250mm)を使用しました。
この時、ED80Sfノーマルの状態の周辺収差は、放射状に星像が延びるのに対して、AC No.4レデューサでは、径方向に星像が伸びました。

そこで間を取る意味で、もう少し効果の弱いAC No.3(焦点距離330mm)を使用してみることにしました。
構造は、銀河☆さんのHPのレデューサと同じ方法です。ダイナさんのブログを拝見して製作しました。
http://homepage2.nifty.com/galaxystar/

さて、合成焦点距離は、計算上518mmほどで0.86倍のレデューサになります。計算式は、Web上の”レンズの結合公式”を参考にしました。Goole検索でヒットします。

私の場合、AC No.3のレンズの取外しは、ノギスの内径測定子を使って簡単に取り外しました。
レンズと、Tリングの間に隙間がありますが適当なスペーサが無かったので、厚紙で代用しましたが
ズレがあるようです。

結果は、と言うと・・・
イメージ 1

左側に収差がありますが、たぶんこれはTリングに納めた時のレンズの偏芯が原因だと思います。修正してリトライします。
問題は・・・ゴーストが・・・
イメージ 2

今回は、光害フィルターなしで行なったため、バックグランドがかなり明るかったので、フィルターを咬ませれば消えるかも知れません。
今後、光害フィルター併用で試してみます。
イメージ 3

↑撮影した対象は、球状星団M3でした。トリミングしちゃえばそもそも周辺収差は気にならないのですが・・・
今後のことも考えて、もう少し調べてみたいと思っています。
NGであれば、WOのレデューサ3かな~・・・レデューサ2からレデューサ3で1万円も価格アップしたのは痛いなぁ~

どこかでレデューサ2が手に入らないものでしょうか・・・

試行錯誤

前回(といっても先月の新月期)、直焦点撮影をガイド鏡親亀小亀型に変更しましたが、
軽量化は実現できたものの、BOEG60EDで撮影する際に、
①ガイド星の導入時に構図が変る 
②ED80Sfはガイド鏡として少々、Fが暗く、且つ、焦点距離がちょっと長い
という問題がありました。また、先日、セキュリティーソフトをPCに導入したところ、
ガイドウォークの調子がおかしくなってしまいました。
症状は、オートガイド時に短くハングしている感じで、オートガイドがメチャメチャになります。
ちなみに、セキュリティーソフトは、マイクロソフトの無料のもので、Security Essentialsです。

本来、ネットに繋ぐのが目的のPCではないので、これは潔くアンインストールしました。
結果、ガイドウォーク復活。

また、①②の問題も、マルチプレート形に変更しました。ただし、ロングシャフトの使用と
ED80Sfを写真鏡とする際は、60EDをガイド鏡として、
また、60EDを写真鏡とする際は、ニュープラネッツ80Sをガイド鏡にできるように
微動雲台に、アリ溝を取り付けることにしました。
これで、ED80Sfの撮影時もガイド鏡の差分は軽量化できます。

結果↓のように、60ED+ニュープラネッツ80Sの場合は、1.9kgのウェイト1つでバランスするように
なりました。今、ブログを書きながらテスト中です。
イメージ 1

イメージ 2

さて、結果はどうなりますか。
お金は無いし、月の明るい時期なのでいろいろ試して見ようと思っています。

銀塩

ブログを通じて知り合いなりました、電球さんさんから素敵なプレゼントを頂きました!
イメージ 1

以前からフィルムの一眼レフカメラが欲しいと思いつつ、迷っていました。
ただ、30年前にメカニカル・シャッターのニコンで星野写真を撮っていた頃の思い出が忘れられず、
機会があればと思っていました。

買うにしても銀塩カメラの知識はほとんど無く、どのカメラが良いのか検討もつかなかったところに、
電球さんさんから、PENTAX SPをお譲りいただけるというお話があって、お言葉に甘えることにしました。

少しWebで調べると、なんと!かなりの名機ではありませんか!荷物が届く前から心が躍りました。
荷物が届くと、綺麗な箱に、全てケース/カバー込みで、ボディー、28mmレンズ、50mmレンズ、105mmレンズ、フード、レリーズ、ストロボ、全て揃って届きました。電球さんさんのカメラへの思いが感じられます。

とても丁寧に、大切に使っておられるだなぁ~と感動しました。

レンズはさすがに私の年齢以上(?)の機材なので中玉にカビが有ます。
”タクマー”というブランドのレンズらしいです。

さて業者に依頼するにしてもまずは、調べて見ようとWebで検索してみると、個人で分解清掃している方が何人かおられます。

むむむむ~メカ屋の血が騒ぎます。ここまで来るともう自分で分解したくてたまりません。

”カビには中性洗剤が一番!”なんて記事もあります。普通の業者じゃ、絶対水洗いなんかしないでしょうから、これは自分で清掃した方が綺麗になるかも!?

と、早速、105mmのものから分解にかかります。せっかくのいただき物を壊してしまったらどうしようと
いう迷いもありましたが、覚悟を決めました。

初めてとりかかった105mmは、かなりてこずりましたが、何とか6時間ほどで実用レベルの清掃ができました。若干、無限遠のピント位置がずれた可能性があるので試し撮りして、NGなら再調整しようと思います。

翌日は、28mmです。これはだいぶ、タクマーの設計意図が読み込めてきたので綺麗に分解/清掃できました。ポタ赤に乗せて見ました!
イメージ 2

↓はレンズのアップです。飾り輪に若干傷を付けてしまいました(ごめんなさいっ!)が、中のレンズはとても綺麗になりました。
イメージ 3

角型のフードがまたすばらしい、金属製ですっ!しかも四角いんですよっ!切削品かな?アルミダイキャストなんてこの時代にあったのでしょうか?肉がとても薄いのです。
イメージ 4

まだこのカメラでの試写はしていません。
ファースト・ライトはしし座流星群になる予定です。
50mmレンズも清掃する予定ですが、程度が少ないので一つは手を加えず残しておいて、万が一に備えようと思っています。

あ、このカメラもヒーター作らなきゃ・・・

ピントゲージ

前回、ピントゲージの事が話題になったので、ご紹介します。
デジタルゲージは、↓のミツトヨのクイック・ミニPK-1025というもので
http://risefactory.shop-pro.jp/?pid=8170020
分解能0.01mmのものです。もう一桁ほしいかな、とも思いましたが私の機材の場合は十分でした。
実際、マイクロフォーカサーでも1μm(0.001mm)単位の制御は至難の業だと思うのでこれ以下は
ロボフォーカサが無いと厳しいと思います。
イメージ 1

さて、かってきたクイック・ミニは、いきなり金ノコでアームを切断します。
アルミの鋳物なので難なく切れます。
裏のラベルをはがすと、クイック・ミニの上下の部品を固定しているネジ穴が現れます。
3箇所ありますがザグリは、φ3.2mm/深さ7~8mmあり、M4の並目タップを十分に立てることが
できました。DIYショップで購入したタップで綺麗に仕上がります。

フリップミラーを完全にばらし、ネジ穴のあう位置にボール盤(ドリル)でφ5mmの穴を開けました。
M4のネジを通すのでφ4.5mmでも良かったのですが、公差を少し広めに取りました。

結局、3個のネジ穴のうち2箇所しかドライバーの入る余地が無かったので、2箇所固定ですが安定性は
問題ありません。ネジはしっかり固定するため、六角穴付ボルト(M4)を使っています。
イメージ 2

また、↑のようにデジタルゲージとフリップミラーの間にワッシャを各2枚噛ませてあります。
ミニボーグのヘリコイドSと、デジタルゲージが接触して入らないためスペーサが必要です。
他のヘリコイドの場合はさらに厚めのスペーサが必要だと思います。
ED80Sfの場合は、笠井トレーディングのマイクロフォーカサーを使用しているので、接眼部に
デジタルゲージの測定子(先端)を、あてる部分があるのですが、ミニボーグは小さいので、
あてる部分がありません。ガイドマウント側にアルミの四角パイプ(10mm×30mm)を幅15mmほどに
切って鏡筒の左右にM4ボルト/ナットで固定しました。
これでデジタルゲージの先端があたります。
↓はおまけで、ED80Sfへの装着状態です。
イメージ 3

上にも記述しましたとおり、私のED80Sfは笠井トレーディングのマイクロフォーカサーに
換装しています。
ですから、カプリやブランカなどの同じ接眼部を持つものは同じように取り付くと思います。
このピントゲージ、フリップミラー取り付けと同時にすぐに使えるので面倒がありません。
実際、直焦点でもコリメートでもこのゲージのお陰でずいぶんピントが出しやすくなりました。
各露出前にゲージを確認すれば、撮影後のピンボケショックはだいぶ少なくなります。
なお、デジタルノギスと同様にワンプッシュゼロ調整ができますから、ジャスピンと思われる
位置でゼロ調して、結果をみて少しずつピントをずらしながら撮影することも可能です。
ギャラリー
  • 一等星の恋
  • ASI294PROによるM16 M17 NGC7293らせん状星雲@調布
  • ASI294PROによるM16 M17 NGC7293らせん状星雲@調布
  • ASI294PROによるM16 M17 NGC7293らせん状星雲@調布
  • ASI294PROによるM20パンジー星雲@調布
  • ASI294PROによるM8干潟星雲@調布
  • ASI294PROによるM8干潟星雲@調布
  • ASI294PROによるM8干潟星雲@調布
  • ASI294PRO導入!自宅で撮影コロナ渦対応!