天体写真は、被写体が暗いので普通の写真撮影と違って数十秒~数十分の露出が必要です。
しかも、星は、地球の自転にあわせて移動するので追従する必要があります。
今までのデジタル一眼を使っての天体写真は、望遠鏡を地球の自転にあわせて
一定速度(恒星時)で動かすだけで、目標の星がずれてもわからない撮影の方法でした。
これでも露出時間が90secぐらいまでは、焦点距離600mmの望遠鏡に接続しても、何とか
”点”に写るのですがそれ以上は成功確率が、ぐっと落ちます。
そこで、撮影用の望遠鏡の他に、もう一個、望遠鏡を載せて手動で位置修正する方法(半自動ガイド)
や、専用のコントローラやPCで自動的に位置修正する方法(オートガイド)が一般的です。
いずれにしても、1つの赤道儀に2つ以上の望遠鏡を同架させることが必要なのですが、
単に、載せるだけで無く、実際にはガイドに使う望遠鏡を、明るい星に少しだけ移動させる
微動装置が必要だったり、撮影に耐えるためにしっかりとした剛性が必要だったり、
それでいて、赤道儀に載せられる最大重量が制限されていたりと、結構、大変です。
もちろん、お金をかければ何とかなるのですが、貧乏アマチュアにそんなに予算はありません。
そこで、オークションでそろえたり、自作部品を作ったりと工夫が必要です。
写真は、完成形に近いガイドシステムです。
ガイド鏡は、オークションで手に入れたビクセンの”ニュープラネット80S”です。
もう片方には、撮影用の望遠鏡が同架できるように、プレートホルダーSXをつけました。
これも、中古購入です。
新品は、ガイド鏡を微動させるマウントで、これだけは新品です。
オークションでどうしても落札することができませんでした。
2台の望遠鏡を取り付けるアルミ板(マルチプレート)は、図面は自分で引いて、
ネットで加工してくれる業者さんを見つけて、作ってもらいました。
あわせて、ガイド鏡の固定を強化して、重心を移動させるバランスプレートも作ってもらいました。
プレートと赤道儀を取り付ける、”アリガタ金具”はSE150Nに付属したものを流用しています。
総重量は3.2kgと重量はまずまずです。これに、3.4kgのED80Sfを同架させても7kg以下。
カメラ他を積んでも赤道儀(GPD)の最大荷重、10kgには十分おさまります。
鏡筒をSE150Nにしても+2kgですからまだ大丈夫です。
剛性もなかなかしっかりしています。さてさて、梅雨明けのテスト撮影が楽しみです。
実際には、使って見るといろいろ問題はあると思うのでこれも使いながら改善してゆく
ようですね。
今回の機材で最も高いのは、ガイド鏡も含め微動マウントで、それでも1万円以下です。
ガイド鏡は、星が見えないので街路灯をみて、像を確認しましたが、口径φ80mm、
焦点距離400mmの短焦点アクロマートにしては、なかなかしっかりしています。
目立った色収差もありませんでした。この頃のMade in Japanは秀逸かも知れません。
さてさて、問題は天気と暇ですね。早く、使って見たいと思う気持ちばかり先走ります。